10月13日(日)、浦和駅東口駅前市民広場およびJR浦和駅東口スペースにて、さいたま市の海外姉妹・友好都市をはじめとする、世界の国々の民族舞踊、音楽、食事、民芸品を楽しめるイベントが開催されました。今回は、国際ふれあいフェアに出店していた団体の一部を取材してきました。
国際ふれあいフェアでは、民族舞踊や音楽を披露するステージプログラムに12団体、世界の食べ物や雑貨の販売、活動紹介の展示を行うワールドマーケットに23団体が出店し、さいたま市浦和区のマスコットキャラクター「浦和うなこちゃん」もイベントに登場するなど、終日大盛況でした。
★ステージプログラム★
スラブ民族舞踊「Slavyanie」
平成27年に結成した、ウクライナ、ロシア、アゼルバイジャン、ジョージアなどの地域の民族舞踊を披露するパフォーマンス団体です。東京都や神奈川県を中心に活動しており、日本人メンバーのほか、ウクライナ、ロシア、アゼルバイジャン出身のメンバーもいます。
イベントでは、女性二人の踊り、シャシュカ(剣)を使った踊り、男女の踊りの3曲を披露しました。
男性の衣装の胸の装飾は、元々は火縄銃の銃弾を入れるためのものであり、現在は男性の勇ましさを象徴する飾りとなっています。
スラブ民族舞踊「Slavyanie」
SNS:https://www.instagram.com/slavyane.japan?igsh=MmRoZzN3N2x5NXhx&utm_source=qr
次回は、11/30のせたがや国際メッセ(東京都世田谷区)、12/1のあーすフェスタかながわ(神奈川県横浜市)に出演予定です。
ロシア家庭料理ターニャ
大宮駅西口から歩いて約20分の県道17号沿いにある、埼玉県ではめずらしいロシア料理レストランです。イベントではボルシチとピロシキを販売しており、今回はボルシチを頂きました。
ボルシチとは東ヨーロッパの伝統的な煮込みスープで、元々、スラヴ人が湿った牧草地に生えるハナウドという植物から作ったスープに由来しています。レシピによってスープの色や具材は様々ですが、現在はビーツを使用した赤いスープが皆さんもおなじみのボルシチではないでしょうか。
ロシア家庭料理ターニャで販売するボルシチも、ビーツを煮込んだ赤色のスープに、キャベツ、ジャガイモ、タマネギ、トマト、パプリカなどが煮込まれており、コンソメスープのような優しい味でとても食べやすいアレンジがされていました。
ロシア家庭料理ターニャ
住所:埼玉県さいたま市大宮区大成町2-180-5サンエイハイツ1階
電話:048-667-0440
営業時間:11:00-14:00、17:00-21:00、年中無休
コポトッコ・バングラデシュ
日本の国旗と模様がそっくりなバングラデシュ。日本には約28,000人が在留し、そのうち埼玉県内には全国で2番目に多い約3,300人が暮らしています。
コポトッコ・バングラデシュは、平成16年に設立され、日本とバングラデシュとの文化交流の促進、バングラデシュの洪水被災地の住民支援、現地女性への職業訓練や子どもたちの教育支援を行っています。
イベントでは、バングラデシュ現地女性の手刺繍の雑貨やTシャツ、アクセサリーが販売されていました。
代表のKazikhasruさんは、バングラデシュ女性による手刺繍は非常に人気があり、特にクモの形を模したイスパイダーネットという刺繍がおすすめとのことでした。イベントで販売された手芸品やTシャツの売上は、支援金に当てられ、イベント以外にコポトッコ・バングラデシュのHPでもオンライン販売しています。
コポトッコ・バングラデシュ事務局
TEL:048-864-6569/080-5548-5773
E-mail:kazikhasru@gmail.com
ガンビア友の会(ロシアのおやこ会”カリンカ”と共同出店)
ガンビアは、周囲をセネガルに囲まれ、日本の岐阜県ほどの面積しかないアフリカ大陸最小の国です。世界遺産として奴隷貿易の中心地であったクンタ・キンテ島があり、観光業が主な収入源となっています。
ガンビアは、1995年の約100万人から、現在は約277万人にまで増加するなど、人口爆発が起きていますが、識字率は非常に低く、多くの若者は会社の求人に応募できず、高度な職業に就くことができないというのが現状です。
アフリカの人口規模は、2025年に約25億人、地球上の約4分の1を占める程にまで成長すると言われている一方で、ガンビアのように識字率が低い国は多く、このままでは読み書きの教育を受けていない人口があふれてしまうことを危惧し、阿野美智子代表は、ガンビア友の会の活動を始めました。同会では、寄付金を集めてガンビアの子どもたちの学費や学校備品に当てています。
現在は、ロシアのおやこ会”カリンカ”のウクライナ支援のための募金活動と相互協力したり、日本の捨てられてしまう着物に着目し、リメイクしたポーチなどの手芸品の売上を教育支援に充てています。
「募金だけでは継続的な教育支援金を集めるには限界がありました。そこで、日本の伝統衣装である着物に着目したのです。日本では、着付けができる人はほとんどいなくなり、親から子へ代々受け継がれてきた高級な着物でも処分されてしまっています。一方で、海外では着物への評価は非常に高く、着物や着物を使った手芸品はお土産として大人気です。そのため、日本の捨てられてしまう民族衣装にもう一度価値を与えて販売し、売上を教育支援へ回すサイクルを作りました。
最近は、私1人では人手が足りないため、ボランティアの手芸教室を開けないかと検討しています。小学校の家庭科室のミシンを借りて着物をリメイクし、売上の一部を設備を貸してくれたお礼に小学校の新しいミシンの購入費に充て、残りをガンビアの教育支援に充てられたら一石二鳥だと思うのです」と阿野さん。
支援活動にも継続させるためのアイデアが必要なのだと教えていただきました。
ガンビア友の会
国際協力NGO・IV-JAPAN(アイブイ・ジャパン)
東南アジアのタイ、ベトナム、ミャンマー、中国と国境を接するラオス。首都はメコン川沿いに位置するビエンチャンで、ラオ族を中心に約50の少数民族が暮らしています。日本には、現在約3,800人が在留し、そのうち埼玉県には全国で6番目に多い約150人が暮らしています。
IVーJAPANは、昭和63年に発足した国際ボランティア会を前身として、平成15年に法人化した国際協力NGOです。現在は、日本とラオスに事務所を構え、ラオスで課題となっている貧困からの脱却と自立した生活を目指し、女性向けに縫製、美容、調理の職業訓練支援を、男性向けに家具作りなどを、また、新たしい職業の掘り起こしという点から介護関連の職業訓練を行っています。
イベントでは、活動の中心地であるラオスの社会や、これまでIV-JAPANの職業訓練を受けて社会に旅立った卒業生の紹介、職業訓練で製作された手芸品が販売されていました。
特定非営利活動法人 国際協力NGO・IV-JAPAN
所在地:埼玉県さいたま市大宮区三橋2-545-2シティヒルズ101
TEL:048-622-8612
今回紹介しきれなかった中にも、さいたま市と世界をつなぐ活動をしている魅力的な団体がたくさんありました。
さいたま市では、10月27日、さいたまスーパーアリーナにて埼玉の国際NGOの祭典「国際フェア」が開催されます。ぜひ、世界のグルメと、世界とのつながりを体験しに訪れてみてはいかがでしょうか。