★突撃となりのミャンマー僧院!ミャンマー世界へようこそ

さいたま市から南に移動した、東京都と埼玉県のゲートウェイなる和光市には、約2年前、関東初となる「パゴダ」と呼ばれるミャンマー寺院の施設が建設されました。今回は、ミャンマー寺院とはどのような施設なのか取材しました。

住宅地の中に突然現れるミャンマー仏教寺院
住宅を改装して建設された僧院「テーラワーダ・パリヤッティ僧院」

和光市駅から徒歩20分の閑静な住宅街を進むと、まるで外国にワープしてしまったかのように見慣れない建物が現れます。これは、ミャンマーの仏教、いわゆる上座部仏教(小乗仏教)の施設です。

こちらの施設を管理するのは、ミャンマー人のシェン・オーバーサー僧侶です。

シェン・オーバーサー僧侶

シェン僧侶は、平成21年に来日し、東京都板橋区のミャンマー寺院、「Myanmar Buddhist Temple Tokyo」の僧侶を努めていましたが、埼玉県内にもミャンマー人が増えたことから、板橋の僧院を弟子に託し、新たに建設された和光市のテーラワーダ・パリヤッティ僧院の僧侶となりました。

今回は、シェン僧侶に和光市のテーラワーダ・パリヤッティ僧院についてインタビューしました!

和光市にミャンマー僧院を建設した理由

ー ミャンマー人にとって、僧院は小さい頃から通う交流の場所であり、心を癒やす場所でもあります。しかし、板橋の僧院は、都内ということもあり非常に狭く、また、埼玉県にもミャンマー人技能実習生や留学生が増えたことから、「通いやすいように、埼玉県内にも僧院を立ててほしい」という声が多数集まり、和光市に建設されました。

ミャンマー仏教では、説法、ブッダ、僧の3つは必要不可欠なものです。そして、上座部仏教の世界では、出家した僧侶は世俗の社会で在家信者とともに暮らすことできないため、僧侶が生活をするための僧院が必要になります。そのため、和光市には、ミャンマー式の仏塔であるパゴダ、僧侶が生活をする僧院が建設されました。

ミャンマー式仏塔「パゴダ」
ミャンマー語で「お履物をお脱ぎください」との表記。ここから先は神聖な場所です。
パゴダ内部の様子
ブッダの生涯を描いた彫刻。右上から時計回りに、「誕生」、「悟り」、「教え」、「眠り」

和光市のテーラワーダ・パリヤッティ僧院の運営や日本の団体との交流について

ー 首都圏には、すでに、「Myanmar Buddhist Temple Tokyo」(東京都板橋区)と、「悟り寺」(埼玉県東松山市)があり、これらは「NPO法人ミャンマー文化福祉協会(MCWA)」(東京都板橋区)が活動を支援しています。

和光市の僧院では、文化・福祉面を切り離したMCWAの兄弟組織である「一般社団法人Myanmar Buddhist Society(MBS)」を設立し、在家のミャンマー人らの金銭的な支援のもと、純粋に仏教の活動のみに専念しています。その他、私たちをサポートする日本の団体などはありませんが、日本の上座部仏教の教え、文化、瞑想などを学ぶサークル「はらみつ法友会」の学生から50歳代までの15人ほどが、毎月来訪され、ミャンマー人在家信徒と交流しています。

来訪者の増加に合わせて増築中の集会所

僧院での活動について

ー ミャンマー本国の僧院では、令和3年に起きたクーデターや自然災害などで生活に困った人々を迎え入れ、シェルターとしての役割を担うこともありますが、当僧院では、そのような役割は担っていません。

しかし、僧院はミャンマー人が集まるハブ的な役割もあるため、困ったミャンマー人が僧院を訪れれば、助けられるようなミャンマーコミュニティを紹介することはできます。例えば、平成23年、東日本大震災が起きた際は、在日ミャンマー僧院からは、それぞれの僧院に集まるミャンマー人の声をかけ、被災したミャンマー人のために食べ物や新しい住居の手配をしました。

また、今次ミャンマークーデターについては、在日ミャンマー僧侶らが連名で国軍政府に対し、弾圧を直ちに辞めるようにとの文書を送りました。その他は、僧院はあくまで宗教の施設のため、僧院がリーダーシップを取って動くことはありませんが、僧院に来訪する在家のミャンマー人の中には、周りに声をかけて募金活動などを行ったり、大使館前デモに参加する者もいるようです。

最後に

テーラワーダ・パリヤッティ僧院では、4月29日に、パゴダの設立記念日があり、ミャンマー人がおよそ100人集まる予定です。また、シェン僧侶は、僧院を国籍・宗教に関係なく、すべての人々に開かれた交流の場所にするため、興味があれば誰でも訪れてほしいと述べていました。

テーラワーダ・パリヤッティ僧院では、4月29日以外にも、5月3日〜11日まで瞑想会、7月6日に雨季に修行に励む僧侶へ僧衣を寄進する「ワソーの満月祭」、10月26日に外での修行から帰ってきた僧侶を迎える「ダディンジュ満月祭り」、12月31日に新年のお祝いをするなど、年間5回ほど、ミャンマー人にとって重要な仏教の祝日に合わせたイベントがあります。

ミャンマー異文化交流に飛び込みたい方は、ぜひ和光市のテーラワーダ・パリヤッティ僧院を訪れてみてはいかかでしょうか!

(通訳協力:在日ミャンマー人女性・テッテッさん)

【テーラワーダ・パリヤッティ僧院】

住所:埼玉県和光市新倉2−27−18

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この記事を書いた人

川田朱里のアバター 川田朱里 県民公論 国際担当

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